今回は日本政策金融公庫の融資はどのような流れで行われるのか、融資が決定するまではどのくらいの期間がかかるのかを解説します。さらに、融資までの期間をできるだけ短くする方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の融資について正しい知識を身につけ、スピーディーな融資を実現しましょう。
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日本政策金融公庫の融資までの期間とは
日本政策金融公庫の融資までの期間は、申し込みからおよそ1ヶ月程度かかると言われています。事前に相談したり必要書類を準備したりする期間を含めると、1ヶ月〜2ヶ月程度かかると考えられるでしょう。
日本政策金融公庫の融資まではどのような流れになっているのか、またそれぞれどのくらいの期間を要するのかは以下で詳しく解説します。
日本政策金融公庫の融資までの流れ
日本政策金融公庫の融資までの流れをチェックしていきましょう。目安の期間もあわせて紹介すると以下のとおりです。
- 事前相談
- 必要書類の準備(約1週間)
- 申し込み
- 面接・面談(申し込みから1〜2週間)
- 結果通知(1〜2週間)
- 融資開始(書類返送後3営業日)
手順や必要な期間を確認し、スムーズに融資まで進めていきましょう。
事前相談
融資を検討しているなら、まずは電話や窓口で実際に相談してみるのがおすすめです。融資までの流れはもちろん、必要な書類も丁寧に教えてもらえるため、準備が楽になります。
申し込み用紙は窓口で受け取れますが、日本政策金融公庫のHPからダウンロードすることも可能です。商工会議所や商工会が近くにある場合は、相談だけであれば対応してもらえるので、気軽に利用できる場所で相談してみましょう。
必要書類の準備
申込書を含めた必要書類を準備します。窓口への持ち込みはもちろん、郵送でも提出可能です。
郵送の場合、書類の不備があると融資までの期間が長くなってしまうため、書類に不安な点がある方は窓口での提出がおすすめ。または、電話で確認してから提出するようにしましょう。
申し込み
必要書類の提出後、日本政策金融公庫から電話または文書で面接についての通知があります。面接の場所や日時はこのときに指定されるので、忘れないようにしてください。
面接日は早くても1週間後に設定されます。1〜2週間後には面接日が指定されると思っておけば間違い無いでしょう。面接までは提出した書類のチェックはもちろん、質問された際に答えられるように準備しておくのがおすすめです。
面接・面談
面接は提出した申込書や必要書類をもとに進められます。おもに事業の内容や経営状況、決算書の確認、経営戦略などの質問をされるので、答えられるようにしておきましょう。
面接はおよそ1時間ほどで終了するケースが多いですが、担当者が事業内容や事業状況を確認するため、直接店舗や工場を訪れることもあります。もちろん事前に確認はありますが、訪問されるケースもあると頭に入れておきましょう。
結果通知
融資が決定すると契約書類が郵送されてきます。融資の決定は面接から約1〜2週間後と言われているので、郵便物が届くまでの目安としてください。
日本政策金融公庫の融資決定後の流れ
日本政策金融公庫の融資が決定した後、融資開始までの流れを解説します。具体的には以下の3つのステップで融資まで進みます。
- 日本政策金融公庫から申込書などが届く
- 必要事項を記入して書類を返送
- 書類到着後約3営業日後に融資実施
それぞれのステップの流れや必要なことをチェックしていきましょう。
日本政策金融公庫から書類などが届く
融資決定後は融資の決定通知とともに契約書類が送られてきます。ただし、融資が否決された場合も同じように書類が届きます。
否決された場合は納得して終わるだけでなく、どこがダメだったのか、どうすれば融資が通る可能性があるのかを確認しましょう。
また、なかには希望額に届かなくても一部のみ融資可能という結果になるケースもあります。融資の金額などを確認し、納得できたら書類に必要事項を記入してください。
必要事項を記入して書類を返送
書類をしっかりと確認し、不備がなかったら書類を返送しましょう。このとき、不備があると融資までの期間が長引いてしまうので、不安がある場合は電話で日本政策金融公庫に確認してから返送してください。
書類到着後約3営業日後に融資実施
契約書類を返送したら3営業日という短期間で融資金額が指定口座に振り込まれます。融資金額の返済方法は日本政策金融公庫への持ち込みや送金などが可能ですが、口座振替がおすすめです。
返済を忘れないように、事前に口座振替の手続きを行っておきましょう。
日本政策金融公庫からできるだけ早く融資を受けるコツ5選
審査期間の短縮はできませんが、ポイントを抑えれば融資までの手続きをスムーズに進めることができます。とくに以下の5つのコツを覚えておきましょう。
- 申し込みを午前中に済ませる
- 目的に合ったローンを選ぶ
- 書類に不備がないように注意する
- 事業内容を分かりやすく説明する
- 繁忙期を避ける
5つのコツを覚えれば、融資開始までの期間を短くするだけでなく、余計な手間を減らすことができます。では、それぞれのコツについて詳しく解説していきましょう。
1.申し込みを週の前半に済ませる
融資の申し込みは週の前半に申し込むと早めに面談日の通知が来る可能性が高いでしょう。というのも、日本政策金融公庫は土日祝日は営業していないため、週の後半に申し込むと面接のスケジュール設定が翌週に持ち越されるケースが多いからです。
また、面接も金曜よりは月曜に行うほうが審査期間が短くなるでしょう。ただし面接日が金曜に設定されている場合、断って再度スケジュール設定をすると余計に時間がかかってしまいます。
よっぽど都合が悪くない限り、指定された面談日は断らないようにするのがおすすめです。
2.目的に合った融資を選ぶ
日本政策金融公庫の融資には種類があるので、事業や経営状況に合った融資を選択すると審査がスムーズに進むでしょう。日本政策金融公庫の融資では、創業融資や新規事業向けの融資だけでも以下のような種類に分かれています。
【新規開業資金】
ご利用いただける方 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資期間(うち据置期間) | 設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
【女性、若者/シニア起業家支援資金】
ご利用いただける方 | 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資期間(うち据置期間) | 設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
【再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)】
ご利用いただける方 | 廃業歴等のある方など一定の要件に該当する方で、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資期間(うち据置期間) | 設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
【新事業活動促進資金】
ご利用いただける方 | 経営多角化、事業転換などにより、第二創業などを図る方 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資期間(うち据置期間) | 設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
引用元:日本政策金融公庫公式HP
このように目的によって融資が分かれているので、適切な融資を選択しましょう。もし、どの融資を申し込めばいいのか分からないという方は、事前に電話や窓口で相談することも可能です。
また融資は適切な金額で申し込むのがおすすめです。とくに始める事業に対して希望金額が大きすぎると「なぜこの金額が必要なのですか?」と突っ込まれてしまうこともあるので、気をつけましょう。
3.書類に不備がないように注意する
融資までの期間が長くなる理由としてもっとも一般的なのは、申し込み時の書類に不備があるケースです。そのため、申し込みを行う際は細心の注意を払って書類を確認しましょう。
書類が揃っていかどうかはもちろんのこと、書類の内容におかしい点はないかも確認してください。もし不安点がある場合は、そのまま提出せずに日本政策金融公庫に相談しましょう。
なかには融資が下りるまでサポートしてくれるサービスもあるので、よりスムーズに融資まで進めたい方は利用を検討してみてください。
4.事業内容を分かりやすく説明する
一般的な事業ではない場合、または前例がない事業の場合は審査に時間がかかってしまうので、担当者に分かりやすく説明しましょう。そういったときは申し込み時の必要書類のほか、補足として創業計画書などの書類を添付すると担当者に事業内容が伝わりやすくなります。
5.繁忙期を避ける
融資の審査や面接までの期間を短くしたいなら、日本政策金融公庫の繁忙期を避けるのがおすすめです。日本政策金融公庫への融資申し込みは年末である12月や、新年度から事業を始めるために準備する3月がもっとも多いと言われています。
そのため、年末や年度末の期間を避けて融資を申し込むと、融資までスムーズに進むでしょう。また日本政策金融公庫は土日祝日は営業していません。GWやお盆などの長期休暇は営業していないということ。
長期休暇の前後も担当者が忙しい可能性があるため、長期休暇の前後1ヶ月も申し込みを避けるのが賢明です。
【コロナの影響】日本政策金融公庫の融資までの期間に変更はある?
結論から言うと、コロナの影響で融資までに時間がかかる可能性は十分に考えられるでしょう。というのも、日本政策金融公庫では新型コロナウイルスの影響に関する相談窓口を開設するなど、コロナの影響を受けた事業者向けの支援を重点的に行なっているからです。
しかし、日本政策金融公庫では、自宅にいながら手続きができるようインターネットでの申し込みを受け付けているほか、動画による申し込み案内も行なっています。申し込み数が増えることによって融資までの期間は長引く可能性はありますが、窓口以外のサービスを上手に利用すればスムーズに融資を受けられるでしょう。
【コロナの影響】日本政策金融公庫の入金時間に変更はある?
入金時間の変更については公式HPには記載されていません。そのため、従来通り3営業日程度で振り込まれると考えていいでしょう。
しかし、返送した書類が日本政策金融公庫に到着した時点で返送書類が多数あった場合、入金時間が遅くなり3営業日の翌日の振り込みになってしまうかもしれません。コロナの給付金の振込で遅れる可能性も考えられます。
正しい振り込み日が知りたい場合は、融資の決定通知が届いた時点で日本政策金融公庫に問い合わせてみるのも一つの方法でしょう。
日本政策金融公庫から振り込まれない場合の対処法
日本政策金融公庫へ書類の返送をしても振り込みがない場合は、焦らず担当者から連絡が来るのを待ちましょう。融資が決定してから指定口座に振り込まれる期間は3営業日です。
しかし、日本政策金融公庫や銀行の営業日によっては、振り込みまでの期間が長くなるケースもあるでしょう。返送した契約書類に不備があったため、融資の振り込みが遅れている可能性もあります。
いずれにしろ担当者から連絡が来るので、急ぎでない場合は待つのがおすすめです。
日本政策金融公庫から電話がかかってきた場合の注意点
融資申し込み後に日本政策金融公庫から電話がかかってきたときは、面接日の決定か書類に不備があるなどのケースが考えられます。その際は、担当者の話を聞き漏らさないよう、メモを取っておきましょう。
ただし、最近では日本政策金融公庫と名乗る団体が電話やメールで預金残高や口座の情報を聞き出すことがあるようです。融資商品を紹介し、申し込みを促す行為も確認されています。
日本政策金融公庫では、電話やメールで口座の情報を聞き出したり、融資商品を紹介したりすることは一切ありません。相談や申し込みをしていないにも関わらず日本政策金融公庫から電話があった場合は、個人情報を伝えないように気をつけましょう。
まとめ
日本政策金融公庫で融資を受けるには、事前準備がもっとも重要です。書類に不備があったり、事業内容に不透明な部分があると融資までに時間がかかってしまうため、担当者の方に分かりやすいよう、事前準備に時間をかけましょう。
また、面接の際に担当者からの質問にしっかり受け答えできること、事業に対して妥当な融資であることも大きな判断材料になります。1日も早く融資を受けて事業をスタートできるよう、抜かりなく準備しておきましょう。
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