「不動産担保ローン」と聞くと、「担保があるから個人信用調査は厳しくないのでは?」「比較的審査も早いかも?」といったイメージを持つ方もいるでしょう。
なかには、Web広告で「スピーディーな審査」を前面に打ち出している業者も少なくありません。
しかし、実際には金融機関やノンバンクの審査基準、担保の状況や信用情報などによって審査のスピードは変わります。
審査が早い不動産担保ローンの選び方や、審査を早めてもらうコツもご紹介しますので、ぜひ利用時の参考にしてください。
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不動産担保ローンは銀行よりノンバンクの方が早い
銀行の不動産担保ローンは、厳格な審査が行われるため、融資までに時間がかかるケースがほとんどです。
現地調査で物件の価値や周辺環境が確認され、銀行の支店と本店とで協議する必要があるなど、審査完了までの手順が多いのも銀行融資の特徴です。
一方、ノンバンクの審査は担保評価が迅速で、かつ書類のやり取りもオンラインで済ませられるため、銀行と比較すると審査は早いでしょう。
不動産担保ローンにおける銀行とノンバンクの審査日数や、ノンバンクの審査が早いと言われる理由を具体的にみていきましょう。
銀行とノンバンク|不動産担保ローンの融資に必要な日数
結論から言うと、銀行の不動産担保ローンは融資実行までには約2週間程度かかり、ノンバンクは1週間程度かかるのが一般的です。
銀行の不動産担保ローンで根抵当権(※)があらかじめ設定されており、担保余力が大きい場合なら、行内の稟議もスムーズに進むため、1週間以内で融資が行われるケースもあります。
ただし、銀行の不動産担保ローンの審査では、支店担当者が現地調査を実施し、担保調査書を作成して行内で稟議を上げるのが通例です。そこから本部の専門部署が評価額を検証し、稟議書が決済される流れとなるため、どうしても時間がかかります。
さらに、登記を担当する司法書士へ書類を事前に確認してもらう必要もあるため、書類の手続きだけで10日以上かかることも珍しくありません。
不動産を担保に設定し、将来発生する複数の借入(ローン)をまとめて担保できる権利のこと。根抵当権を設定しておけば、事業資金として繰り返し借入れを行う場合、毎回新たに抵当権を設定する手間を省ける。
一方、ノンバンクは銀行のような複雑な稟議書のやり取りは少なく、スコアリングシステムで自動的に審査を行い、迅速に審査結果を出す仕組みが整っています。ちなみにノンバンクの中には「最短3日で審査回答」と宣伝している業者もありますが、実際にはレアケースです。
ノンバンクは、地域の不動産流通ネットワークと強いパイプがあるため、不動産の査定もスムーズです。
しかし、融資の契約に際しては登記手続きなどが伴うため、実際には4日〜7日以上かかる可能性は高いでしょう。銀行より審査が早いとはいえ、余裕をもった手続きが必要です。
銀行よりノンバンクの不動産担保ローンが早い理由
ノンバンクの審査が早いのは、独自の評価基準やオンライン手続きの導入が進んでいるからです。銀行は支店担当と本部審査部が何度も協議し、現地調査や担保調査書の作成を経て稟議を上げるため、どうしても時間がかかります。
銀行は不良債権化した際、「なぜスピード優先で融資をしたのか?」と、融資担当者の責任が問われる傾向が強いため、審査時は慎重なチェックを行うよう徹底されているのです。
支店の銀行員自らがメジャーを持って土地を測定し、周辺環境の瑕疵を確認するといった手間も惜しみません。
一方で、ノンバンクは回収不能リスクを金利に織り込んでおり、AIやスコアリングで一次審査を簡易化しています。
実地調査を行わないケースもあり、物件の登記情報と書類審査をメインに判断するところがほとんどです。ただし、どのノンバンクも無制限に融資をするわけではありません。審査に柔軟なノンバンクでも、差し押さえなどが懸念される物件や、瑕疵がある物件などは敬遠するでしょう。
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不動産担保ローンは無担保ビジネスローンと違い即日融資は難しい
無担保のビジネスローンなら、最短即日融資が可能です。特にアイフルなど、大手消費者金融系の無担保ビジネスローンのほとんどは、独自の審査システムを整えており「最短即日融資」を売りにしています。
しかし、不動産担保ローンは担保の適正評価と法的な手続きが必要になるため、即日融資が行われることはありません。不動産担保ローンの審査に時間がかかる理由について、さらに詳しく見ていきましょう。
即日融資が難しい理由1:「担保規定内かを判断するのに時間がかかる」
不動産担保ローンの審査では、担保物件が「決められた規定に合致しているか?」かが審査され、その審査手続きに最低でも1~2日を要します。「市街化区域か調整区域か?」「権利関係に問題がないか?」などを調べるためには登記資料を取り寄せる必要があり、この書類手続きだけでも1週間程度かかるのです。
書類そのものはWebで取得ができますが、書類確認に日数を要したり、司法書士を通す場合はさらに日数が延びるかもしれません。ノンバンクはオンラインでの書類手続きが多く手続きは早いほうですが、申込人が提出する書類に不備があると、何度も差戻しが発生し、同じく審査回答までには時間がかかります。
なお、銀行でもノンバンクでも、担保物件が差押えられていることがわかったり、共有者がいるなどの問題が見つかったりすると、即日どころか融資不可能となるケースもあるのです。
即日融資が難しい理由2:「不動産の担保評価に時間がかかる」
担保評価そのものに1日〜3日ほどかかるのも、即日融資が行われない理由の一つです。銀行であれば支店内の担当者が現地調査を行い、担保調査書を作成したうえで本部に登録します。そこから専門部署が再チェックし、最終的に評価額が確定するまでさらに日数がかかるのです。
一方でノンバンクは現地調査を簡略化する場合が多く、机上査定にAIや独自システムを活用して数日で結果を出すのが一般的です。とはいえ、物件ごとに特殊事情があると査定が長引くことがあり、即日融資は難しいでしょう。
法令違反がある増改築が行われていたり、物件に未登記部分があれば一度評価を保留し、申込人が修正手続きを済ませないと審査は保留されます。
以上のように、不動産の担保評価は一筋縄では行かない部分も多いため、いくらスピーディーな審査をアピールしているノンバンクでも、即日融資はできません。
即日融資が難しい理由3:「担保設定に時間がかかる」
不動産担保ローンでは、融資実行当日に根抵当権を設定する手間がかかるため、司法書士による書類確認や契約書類の締結に時間を要します。
登記手続きをスムーズに進めるには、事前に権利証(登記済証や登記識別情報通知)、印鑑証明書、委任状などを揃えなければいけません。これらの書類を用意したり、書類手続きを進めたりするだけでも、2~3日は必要です。なかには融資実行日に書類不備が見つかり、融資が延期になるケースもあります。
スピーディーな融資を希望しているなら、登記書類の不備がないかしっかり確認し、司法書士とのやり取りをスムーズに進める必要があります。
即日融資が難しい理由4:「審査に時間がかかる」
特に銀行が提供する不動産担保ローンでは、支店裁量で即断即決できるケースは稀で、必ず本店審査や担保管理部門の稟議が必要になるため、短期間で処理できないのが通例です。支店レベルで完結可能な小口の無担保ローンとは異なり、担保の内容によっては、複数部署の承認が必要なケースも多々あります。
銀行なら支店で作成した稟議書を本部が精査し、ノンバンクでも一定金額を超える場合は上席の決済が必要になるのです。さらに、担保評価と並行して申込人の信用情報、収入・財務情報を総合的に調べる必要があるため、書類不備があればそのぶん遅れが生じます。
不動産担保ローンで即日融資を行うということは「調査や審査を簡素化する」という意味になりますが、正規の金融機関はそのようなリスクは取りません。実際の融資までには、「最短でも1週間程度はかかる」と思ったほうが良いでしょう。
ノンバンク不動産担保ローンは早いと数日で入金してくれる
ノンバンクは、銀行に比べて審査や手続きが簡略化されているため、順調に手続きが進めば1週間以内に融資が実行されます。具体的なノンバンクの審査の流れについても、見ていきましょう。
ノンバンクの不動産担保ローンはどれくらい早い?申込から入金までの流れ
ノンバンクは、独自の審査システムを採用しているため、仮審査から本審査完了までスムーズにこなせば、1週間程度で融資が実行される場合もあります。
詳しい審査手続きの流れは、下記の通りです。
- 申込~仮審査
約1〜3日。公式サイトで申し込む。早い場合は即日〜翌日中に仮審査結果が出る。
- 本審査
約1〜3日。必要書類を提出する。ノンバンクが独自の担保評価や信用情報チェックを行う。
現地調査が必要な物件の場合は、審査に3日以上かかる場合もある。
- 契約書類作成・確認
約3〜5日。金銭消費貸借契約書や(根)抵当権設定契約書の署名捺印、司法書士による権利証の確認が行われる。
郵送のやり取りが発生すれば5日を超えることもある。
- 融資実行
1日。書類が完全に整っていれば、契約と担保設定を同日に行い、同日中に申込人の口座へ融資金が振り込まれる。
ただし、書類不備が判明すれば、実行日がずれることはある。
ノンバンクの審査は、上記の通りスムーズですが、必要書類をすぐに用意できなかったり、担保物件に問題があったりすると審査日数は延びていきます。
Webサイトに「最短3日で融資可能」と書かれていても、実際には1週間以上かかるケースも多いことは覚えておきましょう。
最短で借りたい時に注意すべきポイント
ノンバンクの不動産担保ローンで最短融資を希望するなら、書類不備や担保トラブルを防ぐことが、最も重要なポイントです。
不動産担保ローンでは、登記簿謄本や本人確認書類、事業者の場合は確定申告の控えや決算書などが必要です。どのような書類が必要かについては、事前に電話などで確認しておきましょう。
複数の物件を持っているなら、価値の高い方を優先的に担保に差し出すと、実際の審査はスムーズです。さらに、不動産担保ローンでは担保価値よりも返済能力が重視されるため、事業計画や過去の決算書などで、収入が安定している証拠を示すとスムーズに審査が進むでしょう。
なお、「〇日には融資をお願いしたい」と、希望の融資実行日は遠慮せずに伝えておくことが大切です。明確に伝えておかないと、ノンバンクがマイペースで審査を進めるケースがあり、さらに審査にかかる日数が延びます。
審査・入金が早い不動産担保ローン会社の選びかた
できるだけ早く借りたいなら、「どの金融機関やノンバンクの不動産担保ローンに申込むか?」という点も非常に重要です。同じノンバンクでも、「大手ノンバンク」「地域密着型のノンバンク」「不動産担保ローン専業者」などがあり、それぞれ特徴と強みも異なります。
特徴 | 向いている人 | |
---|---|---|
メガバンク系のノンバンク | 信頼度が高く、資金力が大きい | 安心安全なノンバンクを探している。銀行のような手間をかけずに早めに借りたい |
地域密着型のノンバンク | 地元物件の評価が迅速、対面で相談しやすい | 不動産を迅速に査定して1日でも早く借りたい。対面でゆっくり相談したい |
不動産担保ローン専門業者 | 地域の不動産ネットワークに強く審査に柔軟 | 他社で断られたため、柔軟な審査をして欲しい |
不動産担保ローンの選び方についても、詳しく見ていきましょう。
メガバンク系列のノンバンクを選ぶ
審査スピードが早く、安心安全なノンバンクを利用したいなら、メガバンク系のノンバンクがおすすめです。
メガバンク系のノンバンクは、メガバンクのノウハウを活用しながら融資を行ってくれるため、安心かつスピーディーな審査をしてくれる傾向があります。
メガバンク系列のノンバンクは、独自の査定システムが導入されており、オンライン査定で審査結果が出る例も少なくありません。書類に不備がなければ、数日以内に入金してもらえたという実例もあります。
ただし、メガバンク系列といえども「融資条件はノンバンク基準」となるため、銀行より金利は高めです。
ノンバンクは、審査に柔軟な一方で、貸倒リスクを金利でカバーしています。借入額が高額になり返済期間が長期にわたると返済負担が重くなるため、短期利用を心がけるようにしましょう。
地域密着型のノンバンク
「関東にしか支店がない」など、特定のエリアに特化しているノンバンクを選ぶのもいいでしょう。地域密着型のノンバンクは地域事情に詳しく、地域の不動産ネットワークにも強いつながりがあるため、スピーディーな担保評価が可能です。
具体的には、地元の不動産業者と精通しており、現地に行って調査をするなどの手間を省く仕組みが確立されているのです。
また、対面で相談ができるように店舗を構えているノンバンクも多く、そのぶん意思決定が早いという特徴もあります。
ただし、営業エリア外の物件だと「査定が厳しくなる」、あるいは「申込受付対象外になる」といったケースもあるため、物件所在地と営業エリアは確認しておきましょう。
また、地域密着型のノンバンクは、小口の融資には柔軟でも大型融資には対応できないケースがあります。スピード融資が可能とはいえ、金利や限度額などの融資の条件は、事前に確認しておきましょう。
不動産担保ローン専門業者
不動産担保ローンに特化した専門の貸金業者なら、スピード融資も可能です。不動産担保ローン専門業者は、銀行や大手ノンバンクとは異なった独自の審査基準を持つため、特殊な物件を担保に差し出した時でも、柔軟に対応してくれることがあります。
ただし、審査に柔軟な一方で金利が高かったり、貸倒リスクを厳しく見るために、意外と細かい書類を要求されたりすることがあります。独自の利用条件があるケースも多いため、申込資格や必要書類なども事前に確認しておきましょう。
ノンバンク不動産担保ローンの申込〜借入の流れ
不動産担保ローンの手続きは、相談→仮審査→本審査→契約→融資という流れで進みます。銀行と比較するとノンバンクの審査は簡素化されていますが、それでも書類不備や手続き上のミスがあれば、融資実行まで時間を要します。
ローンを利用する際は、手続きの流れを理解しておくことが大切です。
STEP1.相談
はじめに、Webサイトや店舗で不動産担保ローンを検討している旨を伝え、相談しましょう。相談の段階で資金ニーズや物件情報を的確に伝えておくと、その後の仮審査がスムーズになります。
相談時には「希望の融資額」や「物件所在地」「登記情報に問題はないか?」などがヒアリングされます。情報が曖昧だと、ノンバンク側も手続きを進めにくいため、ある程度情報を整理した状態で連絡すると時間を節約できます。
このタイミングでは、ノンバンクの担当者が「この物件なら大丈夫そう」あるいは「難しいかも」といった大まかな感触を伝えてくれることもあり、仮審査へ進むかどうかを判断する材料となるでしょう。
STEP2.仮審査
仮審査では、申込人と担保物件が融資対象になり得るかをざっくりチェックされます。仮審査の結果が出るまでには、1〜3日ほど必要です。
仮審査では、申込者の個人情報や物件情報に関する情報が集められ、ノンバンク独自のスコアリングシステムによる審査が行われます。また、同時に必要書類として「登記事項証明書」や「本人確認書類」などを求められるため、不備がないように提出しましょう。
なお、仮審査に通過できても100%融資が行われるわけではありません。仮審査時に曖昧な情報を入力してしまい、本審査で「話が違う」となるケースもあるため、くれぐれも申込情報や物件情報は正確に伝えましょう。
STEP3.申込(本審査)
本審査では、提出書類が大幅に増え、担保不動産の現地調査や詳細な権利確認が行われます。本審査の結果が出るまでには、さらに1〜3日あるいはそれ以上かかると思っておきましょう。法人の場合は決算書や事業計画の内容・資金使途などがチェックされるほか、個人事業主でも返済能力を証明するために課税証明書が確認されます。
担保物件に対しては、図面や登記簿だけでなく立地や周辺環境の情報が審査され、問題がなければ評価額が決まります。大手ノンバンクの審査は比較的スピーディーですが、物件が特殊な場合や先順位抵当がある場合などは、社内チェックが増えるため、審査結果が出るまでさらに時間がかかるかもしれません。
ちなみに、仮審査を通過したのにも関わらず、本審査で否決されることもあります。この場合は、仮審査とは別の重大な瑕疵や信用情報の不備が見つかった可能性が高いでしょう。早く借りたい一心で虚偽の申告をすると後々否決になるリスクが高くなるため、はじめから正確な情報を出すよう心がけましょう。
STEP4.契約
本審査の承認が出たら契約書類を取り交わし、司法書士が登記関連書類を最終チェックするステップに移ります。金銭消費貸借契約書や(根)抵当権設定契約書へ署名捺印するほか、印鑑証明書や権利証(登記済証・登記識別情報通知)も提出しなければいけません。
ノンバンクの担当者は書類不備にも柔軟に対応してくれますが、それでも印鑑の不一致や書類と現住所が相違しているなどのミスがあると、手続きがストップするため要注意です。契約時に支払う融資手数料や登記費用の準備も忘れずに行い、返済計画に組み込んでおきましょう。
STEP5.融資実行・担保設定
融資実行と担保設定は同日中に行われるのが通例で、その日のうちに申込人の口座へ振り込みが完了します。ただし、朝一で手続きを開始しても、書類チェックに時間がかかれば翌営業日以降へ入金が延期される可能性もあるため注意が必要です。
実行時には、委任状や契約書類に間違いがないか最終確認され、司法書士が登記を申請してから融資金が振り込まれます。ノンバンクは銀行より審査手続きが簡単ですが、それでも「担保設定が完了する前に融資金を振り込む」といったことはありません。ノンバンク側から見ても担保設定はもっとも重要な手続きになるため、利用者側も不備などが出ないよう協力しましょう。
早く審査に通過して融資を受けるコツ
不動産担保ローンを早く実行してもらうには、ノンバンクの審査担当者に「この人ならリスクが小さそう」「担保評価もスムーズに進みそう」と思ってもらう必要があります。書類不備を減らすことはもちろん、返済能力があり担保価値が十分にあることをアピールすると良いでしょう。
不動産担保ローンの審査を早く進めてもらうコツについても解説します。
書類不備に注意する
必要書類を正確に用意しておくかどうかで、融資実行までの日数が大幅に変わります。不動産担保ローンの審査では担保設定のための登記書類や印鑑証明・権利証などを提出する必要があり、1つでも書類が漏れていたり不備があったりすると融資は実行されません。
よくある書類不備の例には、下記のようなものがあります。
納税証明書 | 個人事業主は税務署で所得税の納税証明書を取得すべき。 しかし、市役所で市民税の納税証明書を提出した。 |
---|---|
課税証明書 | 所得証明が必要であるにも関わらず提出しなかった。 |
権利証(登記済証・登記済証) | オンライン化前は登記済証、オンライン化後は登記識別情報が必要。 大切に保管しすぎて速やかに提出できないケースがある。 融資実行日に間に合わない場合は、融資が遅れる。 |
登記簿謄本 | 履歴事項全部証明書が必要であるにも関わらず、全部事項証明書や代表者事項証明書を提出した。 |
決算書 | 貸借対照表と損益計算書だけを提出した。 |
また、書類のなかで盲点になりやすいのが「印鑑証明書の有効期限」や、「住民票と登記上の住所が異なる」といったケースです。
「登記識別情報や委任状が揃っているか?」「銀行印や実印の抜け漏れはないか?」などチェックリストを作り、余裕をもって準備するようにしましょう。
不動産担保ローンの審査が通らない人の共通点は?審査否決になったらどうすればいい?
担保要件に合わない不動産は避ける
ノンバンクごとに担保として認める物件の条件があり、その条件に合わない物件を担保に出すと審査に時間がかかり、最悪のケースでは否決されてしまいます。市街化調整区域や共有物件、差し押さえ記録のある物件など、法的物理的な問題が多いほど査定は難航するでしょう。
担保要件を事前に確認し、もし自分の所有物件が条件を満たさないなら、評価の高いほかの物件を検討したほうが結果的に融資は早いかもしれません。
特に境界が不明確だと測量や隣地との交渉が必要になり、数ヵ月単位で遅れるケースもあります。また、根抵当権が先順位で設定されている場合は、その余力がどれくらい残っているかを計算しないと「担保評価が不十分」と言われかねません。
自分で判断できない時は、地域の不動産屋や司法書士に相談し、法的問題がないかを確認するだけでも余計な手戻りを防げます。
返済能力を示す
不動産担保ローンは担保があるとはいえ、本業の利益から返済を続けられるかが審査されます。法人であれば売上や利益の推移、個人事業主であれば安定収入の有無が審査を左右するわけです。
具体的には、決算書を見せながら「新規事業でどれだけ売上が増えるのか?」を根拠立てて説明できれば、審査担当者も社内で決済を回しやすくなるでしょう。個人の場合は、源泉徴収票や所得証明を提出し、一定の年収がある点をアピールするだけでも審査が円滑に進みます。
ノンバンクによっては、過去の延滞歴や他社借入に対し柔軟な対応をしてくれる場合もありますが、本音としては返済能力のある顧客ほど優先的に対応してくれます。
担保価値が高いと思われる物件で申し込む
複数の不動産を所有しているなら、資産価値の高い物件を担保に出すほうが早く融資を受けられる可能性が上がります。価値が高ければ借入希望額に対して余裕が生まれ、評価作業も簡単に進むからです。
地目は「宅地」または「雑種地」で、市街化区域内にある不動産なら評価が通りやすいでしょう。建物も、違法増築がない「居宅」が好ましいです。建物が「倉庫や店舗」の場合は評価率が下がるケースもあるため、注意が必要です。
さらに、自分名義以外の物件を担保にする場合は所有者が物上保証人になる必要があるため、書類の手続きが増える点を考慮しなければなりません。できるだけ価値が高く、書類手続きもシンプルな物件を選ぶのが審査時間の短縮につながります。
不動産担保ローンの審査が早い会社まとめ
不動産担保ローンで早く審査をして欲しいなら、融資の流れを把握しつつ、不動産の条件や資金使途に合った金融機関やノンバンクを選ぶのが重要です。ノンバンクの審査は一般的に早いですが、なかには審査に時間をかける会社もあるため、口コミや実績を調べておきましょう。
必要書類を不備なく揃え、担保物件に問題がないかも事前にチェックしておけば、審査時間のロスも減らせます。早さを重視するなら、複数のノンバンクに相談し、一番スムーズに対応してくれるところを選ぶのがいいでしょう。