金融機関からの借入

銀行融資時に必要な9つの条件|通らない時はどうする?審査の流れも解説

中小企業の経営者や個人事業主が資金調達を必要とする場合、最初に考えるのが銀行からの融資でないでしょうか。

しかし、銀行は融資を申し込めばいつでも借り入れができるわけではありません。銀行融資を受けるためにはいくつかり条件を満たし、審査を突破することが必要です

この記事では「銀行融資時に必要な9つの条件」と「融資審査に通るためのポイント」「審査の流れ」などについて解説します。

この記事を読むことで、銀行融資の条件を理解でき、安心して銀行融資の審査に臨むことができます。

銀行の融資を検討中の経営者や個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。

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審査が通らない?銀行融資を受けるための9つの条件

消費者金融が扱っているビジネスローンに比べると、銀行融資は審査が厳しく、通りにくいといわれています。

一般的な銀行融資の金利は2%前後で、高くても4%〜5%程度の金利です。少ない金利負担で借りられるため、企業にとってはありがたいのですが、銀行側にとっては融資金が回収できなかった場合のリスクが大きくなってしまいます。

そのため「返済に問題がない」「もしも融資金が回収できない場合に備え、担保や保証を確約する」などの審査が厳しくなるのです。

また、審査にも時間がかかるのが特徴です。多くのビジネスローンが「即日審査」「即日融資」をうたっているのと比較すると、審査に1週間以上かかる銀行融資は遅いと感じることでしょう。それだけ時間をかけて徹底的に精査しているということなので、残念ながら合格できない場合も少なくありません。

銀行融資を受けたい場合は計画的に申込をする必要があります

ここでは、銀行の融資審査に通るための以下の9つの条件をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

  1. 銀行の格付けが良い
  2. 貸借対照表の「純資産」の金額や資産科目が良い
  3. 損益計算書の営業利益と経常利益がプラスである
  4. 事業計画書が説得力のある内容である
  5. 資金使途が明確である
  6. 代表者が連帯保証人になる
  7. 借金の返済計画を説明できる
  8. 税金や社会保険料、公共料金を滞納していない
  9. 銀行と良好な関係を構築し印象を良くする

1. 銀行の格付けが良い

銀行は、自社で取引先企業の格付けをしています。格付けは決算書にもとづいておこなわれる評価のことで、銀行は格付けを元に「融資を行うかどうか」「行う場合は金利をどの程度に設定するか」を判断します。

この格付けは銀行によって基準が異なり、内容は公表されていません。ですが、10〜12個段階に分類された後に以下6つの区分に分けられることが一般的です。

  • 正常先
  • 要注意先
  • 要管理先
  • 破綻懸念先
  • 実質破綻先
  • 破綻先

「正常先」に分類されると融資を受けられ、融資条件も良くなります。一方、要管理先以降に格付けされると、新規融資を受けることが難しくなります。

2. 貸借対照表の「純資産」の金額や資産科目が良い

上述した格付けを良くするためには、決算書の内容が重視されます。なかでも貸借対照表の「純資産」の項目は最も重要です。

貸借対照表とは「会社にどれだけの財産や負債があるのか」を表す書類で「資産」「負債」「純資産」の3つの大きな柱で成り立っています。

貸借対照表のつくり

資産 負債
純資産

左右の金額は必ず同じになり「資産」=「負債」+「純資産」ということです。

純資産は「総資産-総負債」で計算され、これがマイナスだと債務超過ということになります。そして、純資産がマイナスの場合、融資を受けることは難しくなるといって良いでしょう。貸借対照表は、会社の全財産を知るための表なのです。

3. 損益計算書の営業利益と経常利益がプラスである

損益計算書は「会社の営業成績がわかる」書類で、銀行は営業利益と経常利益がプラスであるかどうかをチェックします。

  • 営業利益:本業で稼いだ利益 「売上総利益」-「販売管理費及び一般管理費」
  • 経常利益:経常的な企業活動の結果稼いだ利益 「営業利益」+「(営業外利益-営業外費用)」

営業利益や経常利益がマイナスの場合、利益を稼ぐ力がない会社であると判断され、返済能力が足りないと見られてしまいます。

この2つの利益は、最低でもプラスであることが重要です。

4. 事業計画書が説得力のある内容である

事業計画書は、事業の計画について書く書類のことですが、上記の貸借対照表や損益計算書などの決算書の内容が良くない場合、それを挽回してくれるものです。

事業内容が明確で資金繰りがどうなっているかなと、説得力のある内容になれば、審査に通る可能性はグッと上がるでしょう。

「どのように借入金を返済していくのか」「返済するためのお金をどのように稼ぐのか」という「返済原資」も大切です。

返済計画と事業計画の内容がきちんと整合するように注意し、自主的に作成して銀行に提出しましょう。

5. 資金使途が明確である

資金使途とは「融資された資金の使用用途」のことで、融資審査において必ず聞かれる項目です。資金使途が明確でない借入希望者に融資をしてくれることは、まずありません。

なんのために資金が必要なのかを明確にし、数字を使って客観的に説明する必要があります。

資金使途は「運転資金」と「設備資金」に大きく分けられ、運転資金の中には以下のようなものがあります。

  • 経常運転資金
  • 増加運転資金
  • 納税資金
  • 赤字資金
  • 季節資金

これらの資金使途についてきちんと説明できるよう準備をしておきましょう。

6. 代表者が連帯保証人になる

銀行融資では、企業の代表者が保証人となるように要求されるケースがほとんどです。

保証人とは、融資を受けた会社の返済が不可能になった場合、代わりに残りの返済金を支払う人のことです。代表者個人にある程度の資産があれば、銀行が返済能力があると判断し、融資を受けやすくなります。

7. 借金の返済計画を説明できる

融資審査では、借入金の返済計画をきちんと説明しなければなりません。

毎月どれくらいの金額をどのくらいの期間で返済できるかを、会社の実情と合わせて決める必要があります。おおよその計算方法は以下のとおりです。

・運転資金の場合

毎月の返済可能額から逆算して返済期間を計算する。

・設備資金の場合

設備の減価償却期間を上限として期間を出し、月換算で計算する。

8. 税金や社会保険料、公共料金を滞納していない

税金や社会保険料・公共料金の支払いなどを滞納していないことも、審査を突破するための重要な要素です。

いかなる立場でも、税金や社会保険料の支払いは必須です。これが支払えないということは、そもそもの資金力がないと見なされてしまいます。

また、クレジットカードの返済ができない場合は、クレジットカードの使用履歴に傷がつきます。クレジットカード会社の信用情報機関に取引履歴が残るため、照合で傷がわかると融資を受けられない可能性が高いです。

税金や社会保険料・公共料金の未払いやクレジットカードの未返済額がある場合には、ノンバンクから資金を調達してでもまずは支払いましょう。支払いが完了してから銀行融資に申し込むことが大切です。

9.銀行と良好な関係を構築し印象を良くする

銀行と日ごろから良好な関係を築き、信頼関係を作っておくことも大事なポイントといえます。

銀行の担当者と定期的にコミュニケーションをとり、定期預金など様々な銀行取引を厚くすることで、印象を良くすることができるでしょう。

融資は借りる側にメリットがあるのはもちろんですが、貸す側にもメリットがあります。それは、融資によって借主から利息を得ることです。貸す側の銀行に「この会社に融資すればうちも利益が出るな」と思ってもらえるように努力しましょう。

銀行融資の審査の流れ

銀行融資では銀行独自の 審査を行い、適正と判断した事業者にのみ融資を実行します。

ここからは、銀行融資の審査の流れを説明します。

融資の流れは以下の通りです。

  • 融資の申込
  • 必要書類を銀行に提出
  • 担当者と融資面談
  • 審査
  • 融資実行

融資の申込

融資の申込方法には、以下の3つのパターンがあります。

  • 銀行の公式ページからメールで申込後、店頭窓口での手続きをする
  • 電話で融資を希望することを伝え、窓口へ出向いて手続きをする
  • 自社に営業をしにきた融資担当者に相談を持ちかけたり、知人や税理士に紹介してもらう

窓口に訪問する場合は、融資の担当者に事前に訪問することを伝えておきましょう。

銀行融資の場合、消費者金融のビジネスローンと違って提出書類が多いため、WEBだけで手続きが完結することはありません

必要書類を銀行に提出

必要書類の準備

銀行から求められる必要書類を用意し、提出します。

銀行での事業資金融資で必要となる主な書類

  • 本人確認書類
  • d決算書
  • 事業関連書類
  • 代表者の印鑑証明書
  • 収入証明書

※金融機関や融資商品により異なります

漏れがないようにできるだけ早くを準備すると、銀行の印象もよくなります

担当者と融資面談

申込終了後、用意した書類を元に担当者との面談が行われます。

まず事業説明をし、資金が必要になった理由を明確に説明しましょう。

できるだけマイナスなイメージを与えないように、努力や改善をしている点をアピールすることが大切です。

また、面談では銀行の融資担当者が社内稟議を上げやすいように良い関係を構築することを心がけましょう。

審査

面談の内容をもとに、融資の可否を決める審査が行われます。

融資担当者が銀行内で稟議を上げ、提出した書類が銀行の店舗内で回され、それぞれの担当者の視点から審査が行われます。

書類に不備があったり、追加書類が必要になったりしたときは、担当者から連絡が来るので改めて提出をしましょう。

融資実行

銀行融資では、手続きから審査が通って口座に融資が入金されるまで、最短で1週間~2ヶ月程度かかります。

審査完了の連絡の後、契約手続きを行い、指定の口座に入金されます。

法人が銀行融資を受ける際に気をつけるポイント

ここでは、法人が銀行から融資を受ける際に気をつける3つのポイントをご紹介します。

  1. 会社の財務状況が健全か
  2. 借入希望額と資金の使途
  3. 返済の見通しと原資は何か

順番にみていきましょう。

1.会社の財務状況が健全か

法人(会社)が銀行融資の審査で最も見られるポイントが、財務状況です。

財務状況とは、貸借対照表や損益計算書などの決算書に記載されている内容のことです。ここに記された会社の営業・経常利益や純資産から、財務状況が健全であるかどうかをチェックします。決算書に問題がなければ、審査に通りやすくなります。

2.借入希望額と資金の使途

借入希望額と資金の使途も、必ずチェックされるポイントです。

法人が受けられる銀行融資には、運転資金と設備資金の2種類があります。見積書の提出などで明確な金額を伝えられる設備資金とは違い、運転資金は不明確な部分が多くなりがちです。そのため、運転資金を融資してもらうためには、明確な借入希望額と使途を伝える必要があります。

審査する側としては、融資した資金を使ってどのような事業を行うのかが一番知りたいことなので、その部分をしっかりと説明しましょう。

3.返済の見通しと返済のための原資は何か

銀行融資の審査では、返済の見通しを示すことも重要です。

銀行に限らず、誰かにお金を貸したとしたら「いつまでに」「いくらずつ」「何回に分けて」返済さるのか気になるのではないでしょうか。

銀行融資の場合も、このような返済の見通しを立てることが審査のポイントになります。

また、返済するための原資は何かについても伝えておくとよいでしょう。

原資とは会社が生み出せる資金のことで、資金繰り表(どのように会社の資金が出入りしているかを明確にまとめたシート)と合わせて提示できるように準備しておくことをおすすめします。

個人事業主が銀行融資を受ける際に気をつけるポイント

次は、個人事業主が銀行融資を受ける際に気をつける3つのポイントをご紹介します。

  1. 安定した収入があり、返済能力に問題はないか
  2. 借入希望額と資金の使途
  3. 過去に他社からの借入や返済事故はなかったか

順番にみていきましょう。

1.安定した収入があり、返済能力に問題はないか

銀行融資では返済能力が重視されるため、安定した収入があるかどうかは大きく影響します。

個人事業主やフリーランスよりもサラリーマンの方が審査に通りやすいのは、収入が安定しているからです。

個人事業主が銀行融資を申し込む際には、安定して収入があることを証明できる書類を作成してアピールしましょう。

2.借入希望額と資金の使途

個人の場合でも、借入希望額と資金の使途をきちんと説明できるかどうかをチェックされます。

個人向け銀行融資は総量規制(年収の3分の1を超える借り入れはできないという規制)がないため、いくらの融資を希望しているかが審査基準になります。

また、資金の使途が投資目的なのか生活費なのかを明確にしておくことも、審査に通りやすくするために大切なことです。

3.税金や公共料金の滞納・返済事故はなかったか

銀行融資の審査では、税金や公共料金の滞納、クレジットカードの返済事故もすべて照合されます。この時点で返済滞納があれば、返済能力がないだけではなく、今回の融資を返済に充てられる可能性もあるため、見送られるケースも少なくありません。

日頃から返済滞納をしないように気をつけましょう

銀行融資にコロナの影響はある?

新型コロナウィルスの影響により、収入が減少した個人事業主や事業者向けに特別融資を行っている銀行があります。

銀行名 特徴
みずほ銀行 最大3,000万円で最長5年の借入が可能
三菱UFJ銀行 最大3,000万円で最長5年の借入が可能
新生銀行 最長で5年の借入が可能、借入額は必要に応じて対応

上記以外の銀行でも、住宅ローンの返済に関する対応や特別融資の相談を行っているところがあります。感染を防ぐためにも、直接店舗へ出向く前に電話やネット申し込みで尋ねてみましょう。

まとめ:銀行融資を受けられるよう、日頃から準備をしよう

この記事では、法人経営者や個人事業主が銀行融資を受けたいとき「銀行融資時に必要な9つの条件」を中心に「融資審査に通るためのポイント」「審査の流れ」などについて解説しました。

銀行の融資審査は厳しいため、事前に審査基準を把握しておくことが大切です。審査基準を理解し、必要書類を準備するなど万全の対策を練ってから申し込みをすれば、審査に通る確率は上がります。

いざという時に銀行融資を受けられるよう、日頃から準備をしておきましょう。

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