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プロパー融資とは?その意味と特徴を解説!【住宅ローンや個人事業主の場合も解説】

銀行から融資を受けることを「プロパー融資」と呼び、プロパー融資を受けることは会社にとって非常に大きな意味を持ちます。

しかし、プロパー融資が他の方法とどう違うのか、プロパー融資のメリットは何なのか、よく理解していない方もいるかもしれません。

そこで今回は、プロパー融資の意味や特徴、審査基準について詳しく解説します。プロパー融資のメリット・デメリット、他の資金調達方法との違いについてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
プロパー融資への理解を深め、自社の資金調達力を高めて、会社を発展させていきましょう。

プロパー融資とは?意味と特徴を解説

プロパー融資とは、事業者が信用保証協会などの第三者を挟まずに、直接銀行と契約を交わして融資を受けることを指します。プロパーは「本来の」「正規の」という意味です。

信用保証協会は、中小企業の債務を保証することによって中小企業が融資を受けやすくするための認可法人です。

つまり、プロパー融資を受けられるのは信用保証協会を必要としない企業のみです。事業が順調で返済能力が高いと判断された証拠なので、企業の社会的信用度が高まります。

一方で、プロパー融資に対して100%銀行が責任を負うことになるので、銀行は貸し倒れのリスクを負うことになります。そのため、中小企業やベンチャー企業はプロパー融資の審査に通りにくい側面もあり、プロパー融資の審査に通ってやっと「企業として一人前」とみなされるとも言えるでしょう。

他の融資方法と比べてもプロパー融資の方が金利が低いことも多く、社会的な信用を得るためにも事業者は資金調達の選択肢として持っておきたい方法です。

プロパー融資の審査基準

プロパー融資を受けるには、銀行の審査を通過しなければなりません。銀行はどんなポイントを審査で見ているのでしょうか。また、何に気を付けるべきなのでしょうか。

プロパー融資の審査ポイントと注意点について解説します。

審査のポイント

プロパー審査の際には、主に以下の6つのポイントをチェックされます。

  • 直近3年の決算資料にもとづく財務状況
  • 業歴の長さ
  • 自己資本率
  • 融資金額と使途
  • 返済能力
  • 売掛金の未回収債権の有無

それぞれの審査ポイントを説明するので、プロパー融資の審査に通過できるよう準備することが大切です。

直近3年の決算資料にもとづく財務状況

プロパー審査では決算資料を求められます。その中でも、特に審査を左右することになるのが以下の2つの資料です。

  • 損益計算表(PL):資産、負債、純資産の状況を示した書類
  • 貸借対照表(BS):収益、費用、純利益の状況を示した書類

銀行は金融庁の指示に従い、損益計算表と貸借対照表をもとに企業の財務状況を10〜12段階程度で格付けします。

1〜6までだと「正常」、7-1は「要注意」、7-2は「要管理先」で8以降は破綻懸念先に分類されます。プロパー融資を確実に受けたいなら「正常」に分類されることが必要です。

ですが、財務状況は現在だけでなく今後の改善余地についても審査されるので「今は赤字だからプロパー融資を受けられない」と一概に言い切れないのも事実です。

業歴の長さ

長い業歴は事業が上手くいっている証拠なので、業歴が長いほどプロパー融資の審査に有利になります。中小企業でも業歴が5年を超えていれば、審査通過率は大幅に上昇します。

また、プロパー融資の審査では、その企業に融資の実績があるかどうかを確認します。創業したてで融資の実績がない企業がプロパー融資の審査を通過するのは厳しいでしょう。

ベンチャー企業は業歴の浅さで審査において不利になってしまうことは否めません。

自己資本比率

プロパー融資では、自己資本比率も重要な要素です。自己資本比率は、外部からの融資など「他人資本」以外の「自己資本の割合」を示しています。

自己資本は返済する必要のないお金なので、自己資本比率が高いほど企業の安全性も高く、低いほど資金繰りに問題が出る可能性が高くなります。

高い自己資本比率は利益を上げている証拠となるので、自己資本比率が3割を超えるとプロパー融資の審査に通過しやすくなります

ただし、自己資本比率を高め、プロパー融資の審査が可決されるまでに数ヶ月〜1年かかります。そのため、直近の資金繰りが心配な場合は、先にビジネスローンの検討をおすすめします。

融資の希望金額と使途

融資の希望金額と使途も適切でなければなりません。融資を希望する金額が返済能力を大きく超えていると、審査に通過できないのは言うまでもありません。身の丈に合った金額設定が重要です。

また、なぜ融資が必要なのか、資金の使途も明確にしておきましょう。

赤字の穴埋めのために必要なのだとしたら、返済不能に陥る可能性が高いと思われ、審査には通りません。会社の健全な運営資金として、ポジティブな資金使途を提示する必要があります。

返済能力

銀行は貸し倒れのリスクを避けたいため返済能力のない企業には融資を行いません。融資先の企業が確実に返済できるかどうかを重点的に審査します。

借入金額の返済方法や担保・固定資産の有無、事業の利益や売上金などを見ながら、どのように借入金を返済するのかを審査します。

過去の借入金の返済に遅延や滞納があれば、その分不利になってしまうので注意が必要です。

また、銀行は会社の返済能力に直結する「収益力」もチェックします。利益が大きければ返済に回すこともでき、倒産の可能性が低くなるからです。
銀行はお金を貸すこと以上に、確実に返してもらうことが重要なのです。

売掛金の未回収債権の有無

キャッシュフローが安定していることも大切です。

いくら利益が出ていても売掛金の未回収債権(未入金の請求金)があると、キャッシュフローの安定性に説得力を持たせることができません。なぜ未回収なのか、理由を聞かれることもあります。

また、多すぎる不良在庫や膨らみすぎた投資額もキャッシュフローを不安定にする要因として審査ではマイナス要素としてみなされます。

審査を受ける際の注意点

審査を受ける際、注意しておきたいことがいくつかあります。

  • メインバンクに資金を集中させておく
  • 決算資料をきちんと作成する
  • 未回収の売掛金がある場合にはファクタリングを利用する
  • 審査面談では余計なことを話さない
  • 経営計画書は可能な限り提出する

審査の時には上記5つの点を押さえるようにしてください。

メインバンクに資金を集中させておく

いくつかの銀行口座を持っているなら、メインバンクに資金を集中させ、お金の流れがわかるようにしましょう。

お金の流れがわかると、事業が安定していることを銀行側に伝えやすくなります。

また、社長自身の定期預金をメインバンクに預けるのも有効です。銀行側は社長の預金でリスクがとれると考えるからです。
銀行から定期預金や金融商品をすすめられたら積極的に検討し、プロパー融資に貢献しましょう。

決算資料をきちんと作成する

決算資料をいい加減に作っている経営者が多いのが事実です。特に損益計算表と貸借対照表は審査を左右するので、きちんと作成しなければなりません。

精度の低い決算資料は銀行から嫌がられます。決算資料をなんとなく作成しているなら、財務のプロに依頼するようにしてください。

例えば、税理士に決算資料を依頼すれば社内の負担が減るだけではなく、正確に決算を行えるメリットがあります。経理や税務などもプロの目線で教えてもらえるため、プロパー融資の審査を通過しやすくなるでしょう。

未回収の売掛金がある場合にはファクタリングを利用する

未回収の売掛金があると審査に不利なると前述しました。そのため、未回収の売掛金はファクタリングで回収しておきましょう。

ファクタリングは未入金の請求書を買い取ってくれるサービスです。手数料がかかりますが、売掛金を未回収のままにしておくくらいなら利用すべきだと言えます。

ファクタリングサービスでは、審査の対象を取引先の経営状況とし、売掛金を買い取るかどうかの判断をします。申込企業の経営状態は審査対象にならないため、原則「売掛金の現金化」が行えます。

審査面談では余計なことを話さない

プロパー融資の審査では銀行側の担当者と1時間程度の面談を行う必要があります。この面談後に審査担当者が審査を行い、融資の結果が判明します。面談では契約する本人の人柄も見られるので、堂々と、かつ礼儀正しく振舞うことが大切です。

そして、聞かれたことだけに適切に答えることも重要です。余計なことを話しすぎないように注意してください。補足点などあればあらかじめ提出資料に書き込んでおきましょう。

面談では、融資額の減額や返済期間の短縮などを持ちかけられるケースもあります。要望にはでき得る限り応じるようにすると、良い結果に繋がるでしょう。

経営計画書は可能な限り提出する

プロパー融資の審査では、経営計画書の提出は必須ではありません。ですが、特に創業年数の浅い企業や中小企業なら経営計画書を作成し、提出するようにしてください。できない理由がないのなら、必ず経営計画書を作るべきです。

経営計画書があると、調達資金がなぜ必要か、どのように使われるかがよりクリアになりますし、先を見据える経営能力があることもアピールできるからです。

プロパー融資では多額の融資ができ、信用保証料の支払いがない反面、その審査は非常に厳しく通過するのは難しいです。
できることは全てやるつもりで審査に臨みましょう。

 

信用金庫の融資の審査基準は?流れ・期間・個人と法人の違いと一緒に解説!」では、信用金庫の融資の審査基準を詳しく解説しています。他の金融機関の融資についても知りたい人は、ぜひご覧ください。

プロパー融資のメリット

プロパー融資には4つのメリットがあります。

  • 保証料がかからない
  • 融資額の上限がない
  • 短期間での資金調達が可能
  • 信用力が向上する

それぞれのメリットについて以下で説明します。

保証料がかからない

プロパー融資は銀行と直接契約を結びます。信用保証協会を通さないので、保証料がかかりません。

保証料は保証の種類や企業の財務状況により異なりますが、大体0.5〜2%前後となります。

信用保証料を明確に知りたいなら、都道府県の信用保証協会Webサイトをチェックしてみてください。(東京信用保証協会の保証料の計算方法はこちらから)

なぜ保証料が必要なのかというと、万が一債務者が返済不能になった場合、保証協会が金額の80%を立て替えてくれるからです。

信用保証協会を通して融資を受けると、借入金額が大きくなるほど保証料も大きくなります。そのため、保証料がかからないのは、返済を考慮すると大きなメリットだと言えます。

信用保証協会の融資審査のポイントは?審査の流れ・期間・落ちた理由など一挙解説!」では、信用保証協会の融資審査のポイントを解説しています。信用保証協会を通した融資についても知りたい人は、ぜひご覧ください。

融資額の上限がない

プロパー融資では融資額の上限が設定されていません。銀行側で融資額を決めるので、事業計画や返済能力に問題ない場合は必要な額を上限なく借りることが可能です。

一方、信用保証協会が保証する融資には上限額が設定されています。無担保の場合には8,000万円、担保を含めれば2億8,000万円です。

企業規模が大きく、必要な資金調達額が大きい場合には、信用保証協会保証付融資よりも融通の効くプロパー融資が最適です。

短期間での資金調達が可能

プロパー融資なら他の方法で融資を受けるよりも時間がかからないのもメリットです。

信用保証協会を通すと、実際に融資を行う金融機関と信用保証協会の両方で審査を受けなければなりません。プロパー融資は銀行の審査のみで済むので、融資が下りるまでの時間短縮になります。

融資の方法

審査期間の目安

プロパー融資

2~4週間程度

信用保証協会を通した融資

1~2ヶ月以上

資金調達を急ぐ場合にはプロパー融資をおすすめします。

信用力が向上する

プロパー融資の審査に通過するのは簡単ではありませんが、審査に通過すれば企業の社会的信用力が格段に向上します。信用力が向上することで、以下の相乗効果が生まれます。

  • さまざまな企業と取引をする上で「プロパー融資を受けた優良企業」と思われ、ポジティブな印象を与えられる
  • 「一度プロパー融資を受けている」という事実があれば追加融資を受けやすい
  • 他の金融機関から借り入れする時にも審査のハードルが下がる

上記のことから、企業の将来にとってもプロパー融資を受けることはプラスだといえるでしょう。

 

銀行融資で押さえておきたい5つのポイントとは?審査の流れや期間を徹底解説!」では、銀行融資で審査に通るために必要なポイントや審査の流れを解説しています。銀行融資の審査についてもっと詳しく知りたい人は、ぜひご覧ください。

プロパー融資のデメリット

プロパー融資には他の資金調達方法と同様に、デメリットもあります。

  • 審査が厳しい
  • 返済期間が短くなることが多い

プロパー融資を利用するなら、デメリットも考慮するようにしてください。

審査が厳しい

前述の通り、プロパー融資は信用保証協会を通さないのでどうしても審査が厳しくなってしまいます。信用保証協会を通せば、たとえ借り手企業の事業が失敗して返済不能になっても、保証があります。

ですが、プロパー融資の場合、借り手企業の返済が滞ると、それがそのまま銀行の損失です。プロパー融資は銀行にとってもリスクあるものなので、「必ず返済できる」と説得できる材料がなければ審査に通過するのが難しいのも事実です。

返済期間が短くなることが多い

上記のようにプロパー融資には貸し倒れリスクがあるので、銀行としては一刻も早く融資した金額を回収したいと考えます。そのため、返済期間が保証付き融資などと比べて短くなる傾向にあります。

返済期間が短いと月々の返済額が大きくなり、返済額が大きすぎると経営を圧迫してしまうので、無理をしないと返済できない状況ならプロパー融資はおすすめできません。

銀行融資時に必要な9つの条件|通らない時はどうする?審査の流れも解説」では、銀行融資の審査に不安がある人のために必要な条件や審査の流れを解説しています。銀行融資に必要な条件を知り審査を突破したい人は、ぜひご覧ください。

プロパー融資を住宅ローンに利用できる?

プロパー融資を住宅ローンに利用することはできます。銀行からお金を直接借りて住宅資金に充てることは、プロパー融資ではなく「プロパーローン」と呼びます。

プロパーローンは信用保証協会を通さないので保証料の支払いがなく、プロパー融資と違って審査に通りやすいです。

ですが、銀行に払う手数料があり、金利は他の住宅ローンの1%前後高い傾向にあるので、返済総額が大きくなることも考えられます。プロパーローンの利用を決める前に、必ず通常の住宅ローンを利用した場合の返済総額と比較するようにしましょう。

個人事業主でもプロパー融資を受けられる?

個人事業主もプロパー融資を受けることは可能です。ですが、個人事業主の場合は銀行側の貸し出しリスクも大きくなるので、企業への融資よりも厳しい条件が課される傾向にあります。たとえば、下記の条件は最低限クリアしておく必要があります。

  • なぜ資金が必要なのか、利用目的が明確かつ返済の目処が立っている
  • 現在の財務状況が健全で資金繰りに問題がない
  • 直近3期の決算で十分な利益が出ており、ビジネスが成長している
  • 必要に応じて保証人や担保を出すことができる

4つの条件を満たしている場合にはプロパー融資を受けやすくなります。ですが、特に担保を出してしまうと他行との取引ができなくなることもあるので、担保と保証人に関しては十分考慮するようにしてください。

また、資金が必要な個人事業主は政府管轄の日本政策金融公庫信用保証協会の制度融資なども利用できます。プロパー融資以外にも資金調達方法があるので、自分に最適な方法を選ぶようにしましょう。

銀行融資の審査期間は?審査の流れや個人事業主の審査についても解説!」では、個人事業主が銀行融資の審査に通るためのポイントも解説しています。銀行融資を受けたい個人事業主は、ぜひご覧ください。

まとめ:必要に応じてプロパー融資を利用しよう

今回はプロパー融資について解説しました。

プロパー融資の審査は厳しいものの、社会的な信用力が向上する側面もあり、うまく活用すれば事業にとってプラスになる資金調達方法です。

ベンチャー・中小企業や個人事業主にとってプロパー融資のハードルは決して低くはありませんが、不可能ではありません。また、住宅ローンに利用することも可能です。

保証付き融資などのその他の資金調達方法と比較しながら、必要に応じてプロパー融資を利用するようにしてください。

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